マネジメント

【PoC止まりはもう終わり】AIプロジェクトのPoCの進め方

poc-ai-how-to

PoCとは、Proof of Conceptの略でAI導入前段階で性能や期待した動きをするかを確かめるフェーズです。
しかし、「PoCどまり」という言葉ができてしまうほど、AI導入プロジェクトにおいて鬼門とされ、導入しないで終わるケースがたくさん存在ます。

AIプロジェクトを成功に導くためには、まずはAIの仕組みについて簡単に理解し、AIをビジネスに活用するアイディアの頭出しとイメージを固めましょう。

その後、技術と投資に係る費用対効果の検証を経て、適切な社内関係者を巻き込みプロジェクトを軌道に乗せましょう。

AI活用のアイディア設定

AIプロジェクトを立ち上げるシチュエーションは大きく分けて2パターンあります。一つは、①明確に解決したい課題があり、AIが使えるのではないか?と考えているケースで、もう一つは、②具体的な課題はないが、研究開発投資の意味も含め、何かしらAIを作ってみたい、というケースです。

ケース①の場合は、社内にAIモデルを作成できる人材がいれば、そのまま社内プロジェクトとして進めればよく、反対に、現時点で社内にAIに明るい人材がいなければ、この段階で外部のAI開発会社に連絡をとれば良いでしょう。そのような課題をAIで解決することが可能なのか簡単に回答することであれば、無料相談で対応してもらえることが多いと思います。

AIでの解決がおそらく可能、となれば、PoCに進み、詳細な技術検証を行います。段取りについてはAI会社がリードしてくれるので、これ以上心配することはありません。当ページ「PoCの実施」まで読み飛ばしていただいて構いません。

AIプロジェクト基本フロー
AIプロジェクト基本フロー

続いて、上記の②具体的にAIで解決したい課題は無いが、AIを利用してみたい、というケースについてです。

トップダウンに近い形で、社内で何らかの形でAIプロジェクトに取り組むことが決定したとします。その場合、情シスや、新規事業立ち上げに関連する部署などが担当することが多いと思います。

多くの場合、AIはそもそも何ができるのかを調べる、というところからのスタートです。AI作成についてのアイディア、企画出しを行うフェーズと言えるでしょう。

現在、一番活用事例として取り上げられることが多いAIの種類は、画像認識AIと言えます。カメラなどから取得する画像に対し、何が、どこに、どれくらいの確率で映っているのかを判定するAIです。

次に取り上げられることが多い事例はビッグデータ分析でしょう。来月の売上はどれくらいになるか、というようなAIを用いたデータ予測のことです。【具体例を用いて最もシンプルに説明】実用レベルでAIに出来ることとその仕組み | DeepApex

ある程度AIの仕組みと活用のイメージをもつことが出来れば、アイディア出しは社内で行えることが理想です。何故なら、社外のAI開発会社はクライアントの事業についての理解でクライアントを上回ることは難しく、どのようなAIを導入すれば最も大きな成果を上げられるのか、ということについて一番分かるのは、社内の人材のはずだからです。

アイディア出しの時点でAIに関する社内知見が足りないと感じれば、最初のうちは外部のAI会社をこの段階から入れることをお勧めします。直ぐに社内にAI活用に関する知見がたまり、AI活用のイメージを掴めるようになると思います。

なお、AI導入プロジェクトを成功させるコツの一つとして、社内でのインパクトが最も大きいところからAIによる自動化等を検討する、というものがあります。社内において大して重要でないところに頑張ってAIを活用しても、誰の印象にも残らず、最初で最後のAIプロジェクト(しかも頓挫)となってしまう可能性が高いためです。

インパクトが大きく実際にとても役立つ、というようなAIを先ず導入できれば、冷ややかな目で見ていた他の社員も興味を持ち始め、社内でのAI活用が促進され、ビジネスを加速させることができます。

AI技術というものは、本当にアイディア一つで大きな成果を発揮することが往々にしてあります。難しく考えすぎず、思考を柔軟にして、ビジネスでのAI活用アイデアを考えてみて下さい。ビジネスとAIの両方が分かる人材をお探しなら【DeepApex|AI戦略パートナー】

AI活用目的の明確化・費用対効果の検証

アイデアとして挙げられたAIを実際に作成するに当たって、詳細な要件定義を行い、また、概算でどれくらいの費用対効果があるのかを算定します。

決して難しいことではなく、このAIを利用することにより売上がいくら上がるのか、人件費などの費用がいくら削減できるのか、などについて概算し、AI開発の投資額に見合うのか検証を行うということです。

目的の明確化と費用対効果の検証は、PoCを進めたが途中で頓挫した、または、ある程度AIは形になったが実稼働させることはなさそうだ、などといった事態になることを防ぐための、重要なプロセスとして認識されています。

このフェーズも、社内で一度整理を行ってからAI開発会社に連絡する場合と、整理自体もコンサルティングとしてAI開発会社を入れる場合と両パターンありえます。AI導入でPoCが失敗する原因は重要でない課題を解こうとするため【本質】

なお、ROI(Return on Investment、投下資本利益率の意)などの財務指標を用いた費用対効果の計算は、必ずしも厳密に行う必要はありません。

AI技術の発展が話題になっているから、最近は業績も好調だしとりあえずAIに投資してみたい、という考え方も大事だと思います。

確実に費用対効果が見込めなければ何もしないのであれば、イノベーションを起こしたり、その業界、地域のリーディングカンパニーであり続けることには限界があるので、研究開発的な意味でのAIプロジェクト発足は、必要だと考えるからです。

他の理由としては、単純に人手不足の解消なども挙げられます。人にやってもらうのとコスト的に大差無いという場合でも、そもそも人員に余裕がないのであれば、AIによる業務効率化が急務となるでしょう。

PoCはベンダー側の都合

PoCは、多くの場合ベンダー側の都合で実施されます。ベンダー側は、導入企業に対してサービスや製品を一定、改修したり、カスタマイズする必要があります。しかし、ベンダー側も無料でやりたくないため、PoCという命名しお金をいただくことがあります。

そういったことにならないように、何のためのPoCかしっかり理解し、計画することが重要です。

PoCの進め方

PoCを行う目的が明確になったら、実際にPoCに取り組むフェーズへと進みます。PoCの各プロセスの概要については以下のリンク先をご覧ください。

社内にAIエンジニアを確保出来ていない場合は、このフェーズでは外部のAI開発会社に依頼する必要があるので、詳細な段取りについて心配する必要はないでしょう。AI開発におけるPoCとは?

関係者の巻き込み方

AIプロジェクトを進める上で最も重要となるのが、関係者の巻き込み方です。上述した通り、AI活用案の企画を行ったり、実際にAIを作成する段階において、AIで自動化等を行う対象についての深い知識(ドメイン知識)を有している関係者や、実際にAIを使うことが想定されているユーザーを巻き込むことが重要となります。

これはAIに限らず、通常のITシステム開発においても同じことが言えます。実際のユーザーを想定せずにシステムを作ると、作ってみたが使いづらい、使えないといったトラブルが起きる原因となるからです。

AIにおいては特に、そもそも精度の高いAIを作るためには、ドメイン知識の有無がものを言うという側面もあります(例えば、世界一強い囲碁のAIを作るには、囲碁の専門家無しではありえないというのと同じ理由です)。

現実的には、例えばAI開発の企画段階では、対象となりそうな部署の若手をプロジェクトに巻き込み、意見を出してもらうことなどが考えられますし、実際にPoCフェーズでの開発ともなれば、AI開発の対象となる内容について深い知識を有し、かつ周りの部署にも横断的に声をかけられるようなポジションにいるベテランの社員をプロジェクトオーナーとして、AI開発を進めるのが最も強力かつ効率的です。

まとめ:AI技術についての理解を深め、ビジネスインパクトの大きいAIを企画する

AIプロジェクト、PoCで結果が出せない最もよくある原因の一つとして、さほど重要でない事柄についてAI開発を行い、PoCを開始することを目的としてしまっていることが挙げられます。

初めから解決したい課題が明確な場合は心配ありませんが、半分投資的な意味合いでAIプロジェクトをスタートさせる場合は、AI開発の企画と活用目的の明確化・費用対効果の検証のサイクルを回し、ビジネス上のインパクトの大きいAIの導入を目指してみて下さい。
それが社内有識者の巻き込みにも繋がり、大きな成果を上げるようなAIの開発・運用への近道だと思います。

弊社DeepApexでは、クライアント様のビジネスを広く、そして深く理解することを重視しています。

クライアント様の業種やマーケット特性をも深く理解することで、ビジネス全体、商流の各フェーズにおいて、コスト削減に留まらず、より一層の競争優位性の獲得を促進するようなAI活用の戦略のご提案をしていきます。

ご用命があれば是非お気軽にお問い合わせ下さい。AI導入の相談なら【DeepApex|戦略コンサンルティング】