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AIは具体的にどう人手不足を解消するのか【AIベンチャーが解説】

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AI(人工知能)を活用した人手不足の具体的な解消方法は、AI活用による必要人員数の削減から採用の増加まで様々な視点から考えることができます。

以下にて、それらを各カテゴリー別に挙げた上で、実際の導入事例など現時点での活用状況をご紹介します。

AIによる人手不足解消パターン整理

現在、日本社会では少子高齢化の問題もあり、ビジネス社会全体的に慢性的な人手不足に陥っています。解決策としては、女性にも働きやすい環境を整備することや、元気な高齢者の雇用、外国人労働者の活用などが一般に挙げられますが、これらに加えて、近年目まぐるしく成果を上げているAI技術を活用するという選択肢が有力な候補となってきました。

AIなどコンピュータ、ロボットといった技術は、人間と違い休憩を必要としないため、24時間365日稼働することが可能です。このことから、人手不足とテクノロジーの活用は相性がとても良いと言えます。

一口にAIによる人手不足解消と言っても、様々な切り口から考えることが可能です。具体的には、以下のような活用例が現状では一般的なものとされています。

  • AI・ロボットによる作業の代替
  • AIによる業務効率化(作業負荷の軽減)
  • AIによる従業人員の雇用(マッチング)

AI・ロボットによる作業の代替

人手不足が顕著な業界の一つに、サービス業が挙げられます。例えば飲食店における店員さんも、注文取りや清掃など作業負荷が多く、慢性的な人手不足となっています。

サービス業は人と人とのやり取りが重視される面があるため、現在のAI技術をもっても代替しにくい性質がありますが、それでも例えば何を食べたいか決まっている人や、受けたいサービスが明確に分かっている常連さんなどは、タブレット端末やロボットに搭載されたシンプルなロジックベースのAIを通じてサービスを選べば(飲食店ならばタブレット端末上でメニューを選択するだけで)、サービスの簡単な説明や比較、注文取りといった機械的な業務について代替することが可能です。

下記のリンク先では、コールセンターの事例などを挙げサービス業におけるAIの活用について紹介していますので、良ければご覧下さい。【サービス業×AI】接客業におけるAIの活用について

サービス産業にはAIを導入する余地が多く残されており、未だあまり手が付けられていない分、AIの導入を行った際のインパクトが大きい業界だということが言えます。

他の例としては、製造業におけるAIの活用も挙げられます。工場内の生産オペレーションは正に機械反復的に正確なオペレーションを行うことが求めているので、クリエイティブな能力をもった人間よりも、AIやロボットが黙々と作業をこなすのに適している分野であるといえます。【レガシー×AI】製造業で発揮されるディープラーニングの真価

工場の製造ラインにおいて、従来はベテランの職人技に頼っていた部分も、現在ではAIによって同じ作業をさせることがかなり現実的になっており、活用事例も増えました。

例えば、僅かな気温や湿度の変化、外観の違いから食品などに対して加工の際繊細な調整を行うといった職人芸も、これまではそれらを正確にロジック化しプログラムに起こすことが困難であったため職人芸に頼る必要がありましたが、AIのディープラーニング技術を用いれば、そのようなロジックに落としにくい微妙な違いやパターンについても法則性を見つけ学習することが容易に可能となりました。

外観についてはカメラを設置し画像などを元にAIで判断を行い、気温等の情報に関してもセンサーを用いて数値データ化することにより、同じくAIによる処理が可能です。

AIによる業務効率化(作業負荷の軽減)

完全にはAIに置き換えられないような仕事も、例えば一次チェックをAIが行うことにより、人間の負担を減らすことが可能です。お仕事で経験のある方は共感いただけると思いますが、自らゼロから作り上げるのと、他者が行った作業を確認してOKを出すのでは、同じ品質を担保するのでも必要な労力は大きく違います。

お医者さんの診断や、レントゲン写真の確認も、症状や画像内の特徴などのデータに基づくロジックにより判断を行うので、これはAIで置き換えることが可能です。ただし、特に少しのミスも許されない専門領域においては、最後は人間の専門家が確認を行う必要があるため、AIの活用は一次チェックに留める必要があります。

他の例としては、イメージが沸きやすいところでは経理業務なども反復的な作業や自動化できる業務が存在し、AIを導入する余地があると言われています。

経理業務も複雑な税金関連等の判断など高度な業務もありますが、自動化ができる領域は確かに存在していることが多く、それらについてはAIに切り出し、経理マンの作業負担を減らすことができます。

国内メガバンクにおいても、各社何千人分という規模で事務作業を自動化・デジタル化を行うという発表を行い世間を驚かせたニュースは記憶に新しいです。経理業務はAIで代替できるのか?【AIベンチャーが公認会計士と解説】①

経理業務をAIで完全に代替できるか、というと、答えはNO。経理業務には、定型的なルーティーン作業が多くある一方で、高度な判断が必要な複雑な会計処理に加え、イレギュラーな対応や単純なルール化ができないタスクが多く存在しているからです。

AIによる従業人員の雇用(マッチング)

ビッグデータ分析を用いれば、より精度の高い人材のマッチングを行うことが可能となり、多くの人材の採用や、早期の離職を未然に防ぐことが可能となります。

また、従来は外国人労働者については適切な人材にアプローチすることも容易ではありませんでしたが、現在はAIが自動的に、SNS等を通じ日本で働くことに興味のある外国人について検出し、スカウトを行うなどといったAIソリューションも登場しています。

直接の作業の代替ではありませんが、AIが労働者の獲得に貢献していることから、これもAIを活用した人手不足を緩和するというソリューションの例だと言えるでしょう。

AIを活用しトップラインを向上する

トップライン向上

AIのビジネスへの活用としては、作業の効率化による人件費の削減の事例が多く、どうしてもコストカットの目的で捉えられることが多いです。一方で、AIは本来、売上の増加など、ビジネスそのものをエンパワーメントするポテンシャルについても多く秘めていることも忘れてはいけません。

例を挙げると、従来のマーケティング手法にAIによるビッグデータ分析を導入することにより、今まで見えていなかったデータ間の相関関係を見つけ売上を伸ばすことも可能になることなどが挙げられます。

例えば米国最大手ECサイトのAmazonでは、如何に顧客が求めている商品などを見つけ出し提案を行うかが自社の売上に直結するので、そのようなベストなレコメンデーションエンジンを搭載すべく、ITやAIについて莫大な投資を行っていることで有名です。

売上が伸び、より多くの利益を上げることができれば、余裕が出た部分については従業員に還元することが可能です。極端な話、そもそも賃金を魅力的なものにすれば、多くのケースで人手不足は解消するでしょう。

したがって、AIを活用し多くの利益を獲得することにより、結果的に従業員も補充ができ、人手不足を解消できると同時により強くなった組織体制で更なる事業の拡大が行うことができるようになると言えるでしょう。

最先端のテクノロジーを理解し使えるものは使う

少子高齢化社会に陥っている今の日本では、今後爆発的に労働人口が増えていくことは残念ながら考えにくいため、AIなどの最先端技術を積極的に活用し、ビジネスを回していくことがより重要となってくるでしょう。

また、今後高齢のベテラン人材が引退していくと、それこそ職人芸に頼っていた技術については途絶えてしまうので、そうなる前にAIにそれらの仕事を学習させ、継承していく必要もあります。

先ずは、AIで何かできるのか少しずつ理解し、業務や日常生活に落とし込んでいくことから始めてみることが大事だと思います。【具体例を用いて最もシンプルに説明】実用レベルでAIに出来ることとその仕組み | DeepApex

ここではAIについて、ダートマス会議といった用語を用いてAIの歴史的背景について触れることは行いません。強いAI弱いAI、などの小難しい定義についても触れず、シンプルに実用レベルで何が出来るのか、ということをその仕組みと併せて解説します。