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【建設業界×AI】【人手不足解消】建設業界におけるAI導入事例7選

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近年、人工知能技術(AI)は日進月歩で成長を遂げており、日常生活やビジネスの場においてその活躍領域は広がっていく一方です。

建設業界は製造業などと比べると現時点でAIの活用度合は低いものの、AIを利用できる領域は未だ多く残されており、また昨今の人手不足の影響も受けて、現在AIの導入が最も注目されている産業の一つです。

以下では、建設業でのAI活用に関する壁、AIが活かせる領域、及び実際の活用事例についてご紹介します。

建設業でのAI活用の壁

AI技術の導入目的についての基本的な考え方は、従来人間の作業者が行っていたタスクについて、AI・機械が代わりに行うことによって、時間短縮・人件費の削減や、人手不足の解消を試みるというものです。

例えば製造業であれば、製品の製造ラインに流れてくる材料や部品について、人間が手で加工を行ったり、人間の目で仕損品のチェックを行っていた部分について、人工知能を搭載したロボットアームカメラで置き換えることによって、より正確に、かつ24時間365日休み無しで生産活動を行えるようになるというメリットがあります。【レガシー×AI】製造業で発揮されるディープラーニングの真価

その点、仮に建設現場の作業員に対して同じようにAIの力を借りようとすると、工場内でのロボットアームとは異なり、現場で地面の上をスムーズに移動でき、かつ力もある万能なロボット等が必要となり、これに関しては現状の機械関連技術やAI研究の成果では技術的課題が多く、未だあまり現実的なものとはなっていません。

AIが活かせる領域

そうなると必然的に、建設業界におけるAIの活用は、肉体の移動を伴わない、知的な領域に限られてしまいます。

まだ研究開発段階ですが、代表的な事例の一つに、施工計画の作成AIなどがあります。国交省の「i-Construction」でも着目されている、AIを使った3次元(3D)モデリング技術に関するAIで、建設物の仕様やコスト、納期などの情報を基に、施工計画を提案する機能を搭載しているとのことです。

ですが、通常、設計のような高度に知的で応用が必要な仕事については、現在のAI技術をもってしても困難であることが多く、全てAIに任せられるというレベルまでいけるシステムの登場はまだまだ先のことと考えられます。

なお、計画や設計の作成をAIが行うなど少しでも具体的なAI利用イメージがある場合はまだしも、多くの場合AIは、とにかくビッグデータを投入すれば魔法のように様々な悩みを解決してくれる、と思われがちです。

残念ながら、今日の発展した高度なAI技術をもってしても、どの部分をAIに見せ、どのような判断をしてほしいのか、というAI導入の具体的な目的及びゴールが見えていないと、そもそもAIエンジンを作成することはできないのです。

したがって、人間の知的な作業のうち比較的シンプル・機械反復的な部分ついてタスクを明確に整理、切り出しを行った上でAIによる補助を利用することが、現状では一番のAIの活用の道筋と考えられます。

一つの事例として、株式会社竹中工務店による、現場写真の自動分類分けがあります。建設現場で撮影した写真を画像認識AIで解析し、どの工程を撮影したものかを自動で認識することによって、現場監督者の報告のための手間が1人当たり一日2時間相当削減できたという事例です。

画像認識は現在のAI技術の研究領域内でも、最もビジネスにおいて実用化されている分野の一つです。建設現場の写真も、工程毎にある程度似た外観を有していることから、一度過去の大量の写真データでAIを学習させてしまえば、今後撮影された現場の写真をAIが一瞬かつ高い精度で分類することができるようになる、というものでした。

正に、知的な現場監督者という人員が行っている仕事のうちシンプルで反復的なタスクを、AIにサポートしてもらえるという良い事例です。

また、このような画像認識AIは仕組み自体は極めてシンプルで、難易度も高くなく安価で作成できることも少なくないですので、他にも何かAI活用のアイディアが無いか考えてみると面白いかもしれません。

建設業界におけるAI活用事例

  • 現場写真整理
  • 工事の進捗度合判定システム
  • 切羽評価システム
  • 舗装路面の異状検出システム
  • シールドマシンの自動操作
  • クレーン等重機の自動化
  • 過去案件に関するリサーチ補助

工事の進捗度合判定システムは、現場でのカメラ撮影による画像や、ドローンを利用した撮影画像をAIが事前に学習することにより、現在の進捗度の目安を測定できるようになるというAIシステムです。

切羽評価システムは、日本の山岳トンネル工事では切羽(掘削面)の強度や割目間隔を定期的に現場技術者が評価する必要がありますが、これをAIが高速かつ高精度に評価することを可能としたシステムです。

舗装路面の異状検出システムは、車両から撮影した路面の動画像から、ひび割れなどの平たん性を損ねる異状を識別し、道路上の位置を認識することができる機能を備えたAIシステムです。

トンネル掘削におけるシールドマシンの自動操作については、従来は熟練のオペレーターの技術により行われていたものを、全操作記録をビッグデータとして保存することにより、自動操縦を行えるようなAIエンジンを開発するという研究開発に取り組んでいるとのこと。

重機の自動化は、建設機械にカメラを取り付け、作業員の検知など安全面の徹底を行った上で、AIが自動で重機を操縦するという内容のものです。

最後に、過去案件に関するリサーチ補助AIは、社内に蓄積されている過去案件の構造設計データについて、進行中の案件と似た事例を簡単に検索できるようにするというシステムとのことです。

まとめ:建設業界ではAIによる大幅な効率化の余地が多く残されている

建設業界におけるAIの導入は、IT企業や、工場内でオペレーションを行う製造業などに比べてハードルが高いものの、多くの導入事例も出てきており、まだまだ活用の余地が多く残っていることが分かりました。

昨今の好景気とこれに伴う需要により、建設業界では慢性的な人手不足が深刻な問題となっています。少しでも時間短縮・業務効率化ができるような部分は、積極的にAIを活用してみてはいかがでしょうか。

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