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AIベンチャーとのアライアンス

事業会社に向けた AIベンチャーとの共同開発に関する手引きを読み解く

2020-04-22

(更新: 2021-03-02)

リサーチ
AI
AI開発
AI開発の進め方

目次

AIスタートアップは高度な技術力を有している一方で事業会社サイドの考え方を把握できてないことや、また事業会社側もAI開発に対する理解が少なく、結果両者の認識に違いが出てスムーズな連携が出来ていないケースが少なくありません。

そのギャップを少しでも埋める目的で作成されたのが、以下にてご紹介する手引きとなります。内容としては全て当社としても心当たりがあるものであり、大いに参考にさせていただいています。

事業会社に向けたAIベンチャーとの共同開発に関する手引き~連携にあたり理解しておきたい24の「こころ構え」~

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構イノベーション推進部 2020年3月

事業会社に向けたAIベンチャーとの共同開発に関する手引きとは

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、略称NEDO(ネド、New Energy and Industrial Technology Development Organization)のイノベーション推進部が平成31年3月付で公表した「事業会社に向けたAIベンチャーとの共同開発に関する手引き~連携にあたり理解しておきたい24の「こころ構え」~」は、事業会社のAIシステム開発実務担当者やその関係者の方々を対象に、スムーズなAIシステム開発を目指すために作成された手引きとなります。

NEDOは、日本のエネルギー・環境分野と産業技術の一端を担っている、国立研究開発法人です。

事業内容としては、エネルギー・環境技術の開発と普及(バイオマス利用技術、地球温暖化対策技術などの開発・普及等)や、産業技術関連業務(市場創出・経済活性化を促進する「実用化開発」、将来の新たな産業の核となる「技術シーズの発展」の各段階の技術開発等。主に医療技術、情報技術などを重点領域とする)等に取り組んでいます。主務大臣は経済産業大臣です。

AI技術の開発及び普及促進については、機械システム産業技術の内「ロボット・AI」事業という整理で手掛けています。

2018年6月に経済産業省が発表した「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」では、AIが急速に発展・普及することで生じる法的問題の主な原因として以下の4項目を挙げています。

・AI技術の特性を当事者が理解していないこと
・AI技術を利用したソフトウェアについての権利関係・責任関係等の法律関係が不明確であること
・ユーザーがベンダーに提供するデータが高い経済的価値や秘密性を有する場合があること
・AI技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関する契約プラクティスが確立していないこと

**AI・データの利用に関する契約ガイドライン**

したがって、事業会社とAIベンチャーがスムーズな連携を図ることができるよう、実際にAIシステム開発に携わる事業会社やAIベンチャーを対象とした調査により事業会社が認識しておくべき要点をまとめたものが、こちらの手引きとなっています。

開発参画プレーヤの例

事業会社に向けたAIベンチャーとの共同開発に関する手引き

(出所:事業会社に向けたAIベンチャーとの共同開発に関する手引き P7)

事業会社が理解しておきたい心構え

事業会社が理解しておきたい心構え

(出所:事業会社に向けたAIベンチャーとの共同開発に関する手引き P13)

重要なポイントが全てまとめられているため、上図が読み込めない場合のため下記にて再度記載させていただきます。

1. AIは「魔法の杖」ではないことを理解し、目的・用途に応じてAIを使うべきか否かをビジネス視点で検討しましょう。
2. データがあれば、AI開発・機械学習ができるという訳ではありません。データの質・量によって成果は大いに変わりうることを理解しましょう。
3. AI開発は社内の説得も重要。開発現場以外の部署や経営陣等とその内容を充分に理解してもらいながら前に進めていきましょう。
4. 良い連携先と巡り合うためには、自社の目的に沿った選定基準・手法を予め明確にしておきましょう。
5. データの活用において、自社や取引先が撮影した画像だから問題ないだろうと安易に思い込まず、プライバシー等を十分に配慮しましょう。
6. AI開発は通常のシステム開発とは異なります。成果物を含め開発過程での変動要素があるということを認識しつつ、見積りを精査しましょう。
7. AIベンチャーをはじめプロジェクトには様々な会社(SIer等)が関わることも想定されます。権利関係・契約関係には十分留意しましょう。
8. PoCには有償と無償のケースがあります。どちらの場合でも「精度」「検証期間」「作業分担」などを事前に検討し、PoCに臨みましょう。
9. 連携先とデータの受渡しが常にスムーズに行くとは限りません。データの取扱い、知的財産の取扱い等の際には契約含め適切な行動を心がけましょう。
10. AI開発においては、データの管理自体が難しく、実際の取扱いにおいては未知の問題が発生する場合もあることを想定しておきましょう。
11. 開発・実装においても特有の課題が発生することを理解しておきましょう。(例えば、PoCとは異なる結果が導出されることもあります。)
12. AI開発に反復はつきものです。プロジェクト・ハンドリングに関するノウハウを事業会社においても磨いておくよう心がけましょう。
13. 検収の際、性能評価が難しいケースもあります。その場合も想定した取り決めを事前に準備しておきましょう。
14. 一度完成したAIはずっと使い続けられると思っている方、AIは更に進化する為に追加学習を行うことを理解しておきましょう。

記載内容は全て「あるある」であり極めて正確

事業会社が考えがちな例「とりあえずデータがあれば、どんなデータでも学習していけるだろう」に対し、AI会社は「賢くするためには良い教師データが不可欠。そもそも良い生データがあるのか、良い教師データを作るのにどのくらい工数がかかるか検討しなくてはいけない」と考えている事例や、事業会社「一度完成したAIはずっと使い続けられるに違いない」に対し、AI会社「AIは日進月歩で進化している。運用時のフィードバック、データの見直し、メンテナンスが発生することを事業会社に理解して欲しい」などの事例が手厚く記載されており、このような悩みはどこの会社でも同じなのだな、と改めて認識できる内容となっています。

AIスタートアップとの連携を考えている会社様では、是非一読されることをお勧めします。

まとめ:手引き読んだ上でディスカッションを行う

IoT(Internet of Things)やビッグデータ、人工知能等の第4次産業革命による技術革新では、様々な業種、機械及びデータ等が繋がり、新たな付加価値や製品・サービスを創出するとともに、高齢化や環境問題等の社会課題を解決することが期待されています。

AI開発会社と連携する際は、両者の認識のギャップを少しでも事前に軽減するため、是非本手引きに目を通した上で打ち合わせに臨んでみて下さい。

弊社DeepApexにおいても、クライアント様にAIの事前知識があまり無い場合には、こちらの手引きを積極的にご紹介させていただいております。

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