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経理業務はAIで代替できるのか?【AIベンチャーが公認会計士と解説】①

2020-04-30

(更新: 2021-03-02)

技術
AI
AI開発
製造業

目次

昨今のAI技術の著しい発展を受けて、インターネットや雑誌の記事の特集において、経理などの会計関連の仕事はAIによって消滅する、と言った内容を見かけることが少なくないと思います。

結論から述べると、その答えはYesでもありNoでもあると考えています。

弊社はチームに公認会計士のメンバーを抱えており、豊富な会計関連業務に関するナレッジとAI構築の実績から、経理のAI・RPAによる自動化についてサポートできる体制を構築しています。

経理はAIに取って代わられるのか?

経理業務をAIで完全に代替できるか、というと、答えはNO。

その理由としては、一般に経理業務には、定型的な**ルーティーン作業(日々の仕訳の入力等)**が多くある一方で、高度な判断が必要な複雑な会計処理に加え、イレギュラーと言える突発的な取引のための対応、また、先方都合で変更が繰り返される支払納期、社内の様々な目的で利用するための資料作成など、単純なルール化ができないタスクが多く存在しているからです。

ベテランの経理でも大きく頭を悩ます、決まった答えが無いような会計処理は、上場企業など複雑又は規模の大きな取引を行うようになると生じる問題です。実務ではこういった会計処理については担当の監査法人に相談し、一緒に解決してもらうことが通常ですが、監査法人は監査法人で答えを必ずもっているわけではなく、その都度内部で協議を重ね、結論をクライアントにお伝えしています。

なぜこんなに会計が複雑かと言えば、一言で言えば会計とは法律だからです。例えば弁護士で例えると、裁判において弁護士同士が様々な法律の解釈を述べ、闘っています。

人気法律番組においても、弁護士の先生毎に意見が分かれている光景を見たことはないでしょうか。法律というものは、現実に起こりうる細かいシチュエーションを全て完璧に六法全書に定めることは不可能であり、いざ現実で問題が起きると、明確な答えが無いことが大半なのです。

ですから会計処理に関しても、会計基準には答えが無く、専門家が経験を元に判断する必要があるケースが頻繁に起きます。

このような、理由付けを行ったり、ロジカルに考える、といった要素は、現代のAI技術においては未だ確立されていませんし、解決の目処も立っていません。

したがって、経理業務の内仕訳の入力・記帳業務だけをとっても、判断が難しい複雑な取引を整理する仕事や、最終チェックなどの部分は、ベテランの経理人材の仕事として当分は残っていくものと考えられます。

経理業務でAIが活用できる部分

では、AIが全く利用できないかというと、もちろんそうではありません。

経理業務には定型的な仕訳入力や入出金に伴う債権債務の消込など、毎月殆ど大きな変化が無く、ルーティーン化しているような部分がかなり多くあります。

大きな会社さんでは、この部分はパートタイマーの方を雇って人件費を抑えるなどの工夫をしているケースもあります。ここは正に、AI活用が進んでいる領域であり、実際の事例もいくつもあります。

具体的な例としては、請求書の束を自動で読み取り(AI-OCR、従来のOptical Character Recognition/ReaderにディープラーニングなどのAIを取り入れた技術、画像の文字認識)、仕訳を自動で入力することなどが挙げられます。

前述した通り、取引の内容として、この請求書は売上なのか、経費なのか、立替なのか、はたまた人件費なのか、などの定性的な判断は、現在のAI技術では完璧には対応できません。

ですが、文字の認識の部分、請求額の数字の読み取りについては、請求書は通常手書きではなくパソコンを利用して作られているため、ほぼ完璧な精度で行うことができます。

したがって、AIが金額を読み取って請求額の数字をパソコンに自動で転記したうえで、取引内容をAIで推測し、ドラフトを作る。その後経理担当者が内容を確認し、確定する、ということができるようになります。

人間が仕訳を入力しても、金額の数字を入れ間違えたり、酷い時には数字を一桁誤ったりということがありますので、AIによる一次入力を行うことにより、極めて強固な業務プロセス、内部統制が構築できます。

全てが電子取引になればAIで経理が完結するか?

上述した内容だと、AIが人間のように請求書から取引内容を理解するのは難しい、ということであれば、EDI(Electronic Data Interchangeの略。電子データの交換の意味であり、インターネット経由で標準的なフォーマットに統一した発注、請求書などのビジネス書類を送受信することを指す)などの仕組みの利用を社会全体として促進できれば、少なくとも、専門家に相談しなければならないような複雑な取引以外はAIで経理を完全自動化できるのではないか、と思われたかもしれません。

結論から言うと、それでもAIのみで完結することは困難と考えます。

会計処理というものは、全く同じ内容の商取引を行う場合においても、会社によって取引の目的や趣旨が異なり、結果、会計処理が大きくことなるということが日常茶飯事です。

例えば、ある会社にとってリース取引は単純な費用処理を行うところ、他の会社においては全く同じリース取引でも資産の取得として処理をすることが正しいという例などもあります。同じ金額を取引相手に請求する場合でも、売上なのか、雑収入なのか、立替なのか、状況によって異なります。

したがって、これはこのような趣旨で行っている取引で、このように会計処理をする、という情報を全て取引データに盛り込むことはできないので、やはり、仕訳入力業務だけをとっても、経理を完全にAIで代替することは困難と言えます。

なお、昨今の大手の会計システムは、AI自動仕訳機能を搭載、など謳っているものが殆どですが、実態は、ディープラーニング等の狭義のAIの利用は極一部であり、大半は、例えば「電車」という単語を検知したら、「旅費交通費」として処理する、といったルールを人間が設定し、これをメインに振り分けを行う、広義のAIであり、従来から存在していたIT技術を利用したものに過ぎないことが通常です。

以下に続きます。

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